発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011084264
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66歳男。早期癌で幽門輪温存胃切除術(PPG)施行後6年に嘔気、胃もたれで受診した。経鼻内視鏡で腹部食道に不整な潰瘍を認め、経口内視鏡で残胃吻合部の口側に軽度隆起を伴う発赤像を認め、精査により早期食道癌および早期残胃癌の同時性重複癌と診断した。根治手術として経食道裂孔的下部食道切除および残胃全摘術に食道空腸吻合(Roux-en-Y吻合)再建術を施行し、肝転移、腹膜播種は認めていない。腹部食道に0-IIc、40×55mm大の早期癌、残胃吻合部口側小彎後壁寄りにIIb、10×12mm大の早期癌を認め、病理所見より食道癌は低分化型扁平上皮癌AeLt、ly1、v0、T1bN0M0IM0、StageI、残胃癌は高分化型腺癌L、Less、Post、M、ly0、v0、T1N0H0P0CY0M0、StageIAと診断した。術後化学療法を施行し術後3年10ヵ月で再発徴候は認めていないが、術後4年に膀胱癌(異時重複癌)で現在治療中である。
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