発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002252219
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
44歳男.半年前から2度ほど下腹部痛で受診していたが投薬のみで軽快したため精査は行われなかった.同様の腹部痛が出現し軽快しないため救急受診したところ腸重積の診断となった.X線所見で少量の小腸ガス像を認めるが,腸管の通過障害を思わせる所見は認めなかった.ascending colonからtransverse colonが著明に拡張し内部に腸管と共に腸間膜,脂肪織が連続して嵌入していた.大腸ファイバー所見でI型の腫瘍がtransverse colon内に嵌頓していたが検査中に解除されてしまった.注腸透視所見で横行結腸に典型的な"かに爪像"が認められた.以上より回盲部大腸癌による成人腸重積の診断で第3群のリンパ節郭清を伴う右半結腸切除術を施行した.病理組織所見より高分化型のadenocarcinomaを認め,深達度はmであり,腸管侵襲,リンパ節転移も認めなかった.術後は順調に経過し,2年2ヵ月を経過した現在再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2002