発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011034210
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35歳男性。患者は検診の胃・食道透視検査で異常を指摘され他院を受診、精査にて食道粘膜下腫瘍と診断後、著者らの施設へ入院となった。上部消化管内視鏡では切歯列から29~34cm前後に内腔を充満する粘膜下腫瘍性病変がみられ、超音波内視鏡で腫瘍は衝動壁第4層と連続性が認められた。また、粘膜切開後に直視下生検を行ったところ、病理検査では異型度の低い紡錘形細胞の増殖により構成され、免疫組織化学的染色ではSMA陽性・desmin陽性、c-kit蛋白陰性であった。一方、胸腹部CTではリンパ節腫大・肺・肝への転移性病変はみられず、気管支鏡でも気管や気管支の粘膜面に異常所見は認められなかった。以上より、本症例は胸部中部食道原発性平滑筋筋腫の診断にて胸腔鏡補助下腫瘍核出術を行った結果、摘出標本の病理組織学的所見は平滑筋腫であった。尚、患者は手術から22日目に退院となり、目下、約3年を経過で再発の徴候は認められていない。
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