発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009138549
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症例1:45歳男。嚥下時のつかえ感を主訴とした。食道造影で胸部中部食道左壁に表面平滑な隆起性病変を認め、食道内視鏡では切歯より30~34cmの胸部中部食道に正常粘膜に覆われた粘膜下腫瘍(SMT)を認めた。表面は平滑で、潰瘍形成は認めなかった。超音波内視鏡では第4層由来のSMTと判断された。症例2:38歳男。嚥下時のつかえ感を主訴とした。食道造影で胸部上部食道左壁から前壁にSMTを認め、食道内視鏡では切歯より25~28cmの上部食道にSMTを認めた。表面は平滑で、超音波内視鏡では第4層由来のSMTと判断された。2例に対し胸腔鏡下腫瘍核出術を施行した。手術所見で腫瘍は食道左壁に発育し、核出操作を行うために右壁腔側に腫瘍を位置させる必要があった。Kodama Di-suctionを用いて吸引しながら腫瘍の食道後壁を左側に圧排することで、腫瘍部を右胸腔側へ誘導することができ、核出術を施行し得た。術後合併症は認めなかった。病理診断は食道平滑筋腫であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009