発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012219128
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症例は69歳女性で、2年前に胸部中部食道類基底細胞癌で胸腔鏡補助下食道亜全摘術を施行されたが、経過観察のCTで右肺転移が発見された。造影CTで右肺底区に1cm大の結節影を認め、PET-CTおよび上部消化管内視鏡で遠隔転移や局所再発の所見はなかった。孤立性肺転移であり、全身状態も良好であることなどを考慮し、胸腔鏡下補助下肺部分切除術を施行した。腫瘍の局在は確認困難で、小開胸下に触診で確認し、自動縫合器で切除した。病理組織所見で、核腫大と核異型を示す類基底細胞様の腫瘍細胞が胞巣状の圧排浸潤性増殖を示し、角化巣を伴っていた。胞巣間質の一部にはPAS陽性硝子様間質を認め、食道類基底細胞癌の肺転移と診断した。術後経過順調で合併症なく退院し、17ヵ月後も再発なく生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012