発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011111345
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76歳女。左乳房腫瘤を主訴とした。左乳房AB領域に硬結を触知し、超音波では境界が比較的明瞭な0.8cm、0.7cm、0.6cm大の低エコー性腫瘤が連なる像を認めた。マンモグラフィでは境界辺縁明瞭で平滑な1cm程度の3個の腫瘤が連なる像を認め、内部に石灰化はなく、category 3と診断した。拡張した乳管内病変を疑ったが、穿刺吸引細胞診では診断が難しいと判断し、局所麻酔下に腺葉区域切除術を施行した。病理診断はintraductal carcinoma with endocrine features,microinvasionであり、断端陽性であったため翌月に胸筋温存乳房切除術を施行した。リンパ節転移はなかった。術後経過は良好で、術後2週間で退院となり、anastrozoleを投与して術後1年5ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011