発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010055256
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悪性黒色腫(MM)を含む重複癌(MMT)症例88例を対象に、1996年の報告と比較検討した。その結果、男性46例、女性38例(平均発生年齢67.0歳)、男女不明4例、年齢不明4例で、前回より男女差がやや減り、年齢は高くなった。同時性は男性23例、女性11例、MM後発異時性は男性13例、女性19例で前回と同様の傾向であったが、MM先行異時性は男性10例、女性12例で逆転した。他臓器悪性腫瘍で頻度の高い上位癌は胃癌が首位で前回と同様であった。今回は食道癌が増加し、EMMとの同時性の例を認めた。今回、多発性骨髄腫や色素性乾皮症が関与するMMTは認めなかった。MMの発生部位の内訳はCMM、OMM、EMM、ARMM等であった。MMTの2、3、4重複癌の頻度は前回より低かったが、MMの多重複頻度は相対的に高かった。手術を行ったのは75%で、第1癌より2年以内の死亡例は約1/5、5年以上生存率は約1/3(全例異時性)で、最終癌より2年以上生存例全例が最終癌手術施行例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009