発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007290063
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1986年~2006年に著者らが経験した大腸癌手術例574例中、重複癌は66例70臓器に認め、その中でも胃癌重複が36例と最も多かった。そこで今回、大腸胃重複例を重複時期によって同時性17例、胃癌先行の異時性13例、大腸先行の異時性9例の3群に分けて臨床的に検討した。1)非重複大腸癌と比べて発症年齢に差はなく、重複症例にやや男性が多い傾向が認められた。2)胃癌先行群が他の2群よりも有意に胃癌の若年発症を認め、非重複胃癌発症年齢との比較でも有意に若かった。3)発症間隔では胃癌先行例が有意に長期間経過後に第2癌が発見され、進行度は大腸重複癌では大腸癌は比較的進行癌が多かったが、胃癌は早期癌が多いのが特徴的であった。4)予後は、同時性では進行度を反映して半数が大腸癌によって、異時性ではほとんどが第2癌によって規定されていた。5)第2癌の治癒切除率は大腸癌および胃癌ともに約50%で、治癒切除できた症例は全例長期生存が可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007