発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009331706
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64歳女。腹部腫瘤を主訴とした。CTで腸間膜内に5.1×4.1cm大の腫瘤を認め、腸間膜奇形腫や腸間膜脂肪腫を疑い、確定診断および治療目的で手術を施行した。手術所見でTreitz靱帯より10cmの空腸間膜に灰白色、広基性、5cm大の球形腫瘤を認め、腸間膜より剥離して摘出し、病理組織所見より線維化を伴う脂肪壊死による仮性嚢胞と診断された。術後9日に軽快退院となったが、術後2ヵ月に左側腹部に腫瘤が出現した。CTでは前回認めた腫瘤よりも腸間膜根部側左寄りに7.0×5.1cm大の嚢胞性腫瘤を認めた。脂肪成分を含む液体貯留と考えられ、乳び腸間膜嚢胞を疑い、嚢胞内へのOK432 5 KE注入で嚢胞縮小を認めなかったため手術を施行した。手術所見で前回手術部位に一致して空腸および腸間膜にまたがる嚢胞性腫瘤を認め、嚢腫を含めた小腸部分切除術を施行し、病理組織所見よりリンパ管腫と診断された。術後経過は良好で、術後10日に合併症なく退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009