発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234146
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78歳女。患者は胃癌検診の目的で上部消化管内視鏡術を受け、胃幽門部後壁に0-IIc型病変を認めた。血液、生化学検査は全て正常範囲で、白血球分画も異常はなかった。幽門側胃切除術を施行したところ、最終病理診断では分化型腺癌が粘膜に限局しており、リンパ節転移は認めなかった。術後は合併症もなく回復して食事開始となったが、術後24日目に発熱と末梢血中のWBCの著明な上昇を認めた。白血球中の分画では好酸球比率が79%と著明な増加を認め、骨髄疾患が疑われた。骨髄吸引生検が施行したところ、成熟好酸球の増加がみられ、骨髄液染色では染色体異常も確認され、好酸球性白血病と診断された。血液内科で加療を行なったものの、7ヵ月後、免疫不全症に肺炎を合併して患者は死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009