食道癌外科治療のすべて
胸腔鏡下食道切除術 発生学に基づいた剥離層と「受け」を利用した食道切除術
大幸 宏幸
1
,
藤田 武郎
,
藤原 尚志
,
岡田 尚也
,
佐藤 琢爾
,
佐藤 中
,
堀切 康正
1国立がん研究センター東病院 食道外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
縦隔
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
器官形成
,
反回神経
,
リンパ節郭清
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Mediastinum
,
Lymph Node Excision
,
Recurrent Laryngeal Nerve
,
Thoracoscopy
,
Esophagectomy
,
Organogenesis
pp.324-330
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017206044
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食道癌に対する胸腔鏡下食道切除は,行われ始め20年が経過し医療機器の発展とともに広く普及し続けている.特に内視鏡解像度の進歩の恩恵は大きく,肉眼では確認できなかった解剖構造がみえるようになり,さらに多角的にみることができるようになり解剖の理解がすすみ,新しい手術理論が生まれ始めている.気管と食道は前腸から発生する臓器であり,同じ臓器鞘に包まれて存在すると考えられる.この気管と食道を包む臓器鞘をtracheoesophageal fasciaと呼称し,tracheoesophageal fasciaを「受け」にした手術を行っているので紹介する.
©Nankodo Co., Ltd., 2017