発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009138548
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52歳女。超音波で左上腕近位部屈側に境界明瞭、辺縁不整、内部不均一な腫瘤を認め、CTでも境界明瞭な腫瘤性病変を認めた。切除生検の病理組織所見で石灰化を伴う大量の粘液内に癌上皮巣の浮遊を認め、粘液癌の診断であった。免疫染色ではCK7、ER、PgRが陽性であり、非腫瘍部にはER、PgR陽性の異型のない正常乳腺腺管を認め、副乳由来の粘液癌と診断した。HER-2スコアは0であった。生検創から1cmの距離をとり、皮膚をつけた左腋窩広範囲追加切除、およびlevel IIリンパ節郭清術を施行した。病理組織学的所見は粘液癌の遺残と副乳腺組織を認めた。ステージ分類はT2NOMO、stage IIAであった。術後19日より放射線療法を施行し、術後58日に軽快退院となった。術後9ヵ月の現在、anastrozoleを服用し外来通院中であるが、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009