発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009116205
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56歳女。嘔吐が出現したため受診し、腹部は平坦軟で表在リンパ節は触知しなかった。上部消化管造影X線で胃前庭部に不整な全周性狭窄を認め、病変は小彎側で幽門輪に達し、境界明瞭な段差のある陥凹性病変を認めた。生検では印環細胞癌の診断であった。腹部CTで胃前庭部に軽度肥厚を認めリンパ節腫大も認め、十二指腸浸潤を否定できない胃癌の診断で、腹部正中切開で幽門側胃切除術、D2リンパ節郭清を施行した。十二指腸に進展したまれな陥凹性表層拡大型胃癌で、経過は良好で、術後12日目に常食を摂取し退院した。T1N0で術後化学療法は行わなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009