発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
36歳男性。患者は心窩部痛を主訴に近医を受診、上部消化管内視鏡検査にて胃角部前壁の潰瘍性病変を認め、生検にて印環細胞癌と診断され、手術目的で、著者らの施設へ紹介となった。入院時、腫瘍マーカーはすべて正常範囲内であったが、腹部CTでは肝動脈動脈瘤が発見され、胃癌印環細胞癌に対する幽門側切除+リンパ節郭清+Billroth I法再建に加え肝動脈瘤切除が行われた。その結果、病理組織学所見から動脈瘤の原因としてはSAMが考えられた。術後は経過良好で、術後10日目に患者は退院となったが、目下は経過観察中である。尚、過去に著者らが手術を行った腹部内臓動脈瘤9例を合わせた10例の検討では、本症例以外の9例はいずれも動脈硬化性の瘤と診断され、瘤の成因としてのSAMの頻度は10%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010