発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009116204
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44歳女。左乳房腫瘤で受診しT4bN2M0、ステージIIIB乳癌と診断され、病理所見は乳頭腺管癌、腫瘍径5.0cm、リンパ節転移陽性、f、ly3、v1、ER陰性、PgR陰性、Her2蛋白過剰発現陽性であった。胸筋温存乳房切除術を行い術後補助化学療法を行ったが副作用のため中止し、ドキシフルリジン、シクロホスファミド内服投与を行った。左癌性胸膜炎を合併し、胸腔ドレナージ、抗悪性腫瘍溶連菌製剤を胸腔内に注入し、軽快したが再燃し、トラスツズマブを開始し、病状の増悪に伴い、化学療法薬カペシタビンからパクリタキセル、ドセタキセルへと変更し、外来加療を行った。腹痛のため受診し腸閉塞の診断で緊急入院した。腹部X線で大腸と小腸の拡張・ニボー像を、腹部CTで腸管の著明な浮腫・拡張、播種巣による直腸S状部狭窄を認め開腹手術し人工肛門を造設した。術後20日で退院しビノレルビンで化学療法を行ったが癌性胸膜炎増悪による呼吸不全で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009