臨床と研究
大腸低分化腺癌切除例の臨床病理学的検討
渡邊 貴洋
1
,
大端 考
,
佐藤 真輔
,
高木 正和
,
伊関 丈治
,
鈴木 誠
1静岡県立総合病院
キーワード:
S状結腸腫瘍
,
肝臓腫瘍
,
腫瘍進行度
,
腫瘍侵入性
,
腫瘍播種
,
リンパ行性転移
,
腺癌
,
大腸腫瘍
,
腸穿孔
,
腸閉塞
,
腹膜腫瘍
,
比例ハザードモデル
,
無病生存
,
腫瘍量
,
Kaplan-Meier法
,
大腸切除
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Intestinal Obstruction
,
Intestinal Perforation
,
Neoplasm Seeding
,
Liver Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasm Staging
,
Peritoneal Neoplasms
,
Sigmoid Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Proportional Hazards Models
,
Disease-Free Survival
,
Tumor Burden
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.1096-1103
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014038101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2007年1月~2012年1月の間に大腸低分化腺癌44例(por群:男性21例・女性23例、平均年齢67.2歳)を対象に高・中分化管状腺癌993例(tub群:男性606例・女性387例、67.8歳)を対照群として臨床病理学的因子について比較した。その結果、por群ではtub群に比べ女性が多い傾向があり、腸穿孔・腸閉塞例の割合が多く、腫瘍長径が有意に大きく、占拠部位では有意に右側結腸に多かった。全生存期間ではpor群が有意に予後不良で、Stage別ではStage IIIa・IIIb・IVにおいてpor群が有意に予後不良であり、無再発生存期間では有意にpor群で再発率が高かった。多変量解析ではリンパ管侵襲(ly1.2.3)、脈管侵襲(v2.3)、肉眼型(2.3.5型)が再発高リスク因子と考えられた。以上より、髄様癌・非髄様癌といった新たな亜分類の検討が低分化腺癌の治療と予後判定において臨床的に有意義な今後の検討課題と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013