発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016298065
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症例1(69歳男性)。嘔吐を主訴に受診となった。腹部造影CTにて回盲部腫瘍によるイレウスと診断され、回腸部切除術が施行された。症例2(69歳男性)。健診にて便潜血陽性を指摘され、著者らの施設へ受診となった。下部消化管内視鏡にて上行結腸癌と診断され、回盲部切除術が行われた。症例3(64歳女性)。下痢、腹痛、体重減少を主訴に受診となった。腹部造影CTおよび腹水細胞診より原発不明癌による腹水貯留が疑われたが、腹腔鏡下に虫垂腫瘍を確認し、虫垂切除術が施行された。いずれの症例も病理組織学的に腹膜播種を伴う虫垂胚細胞カルチノイド(GCC)であった。尚、予後は症例1は術後化学療法を施行しなかったものの術後4年5ヵ月生存を得た。症例2は術後化学療法としてUFT/LV、FOLFOX+Bevほか、FOLFIRI、Pmab+CPT-11を行なうことで、術後6年9ヵ月の生存を得た。一方、症例3は術後FOLFOX6+Bevを行い一時的な効果を認めたものの、播種巣の再増殖を来し、術後10ヵ月の生存期間となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016