発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012264959
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79歳女。嘔吐、下痢を主訴に受診し、直腸S状部の全周性2型腫瘍と肝右葉に8cm大の転移巣と診断された。高位前方切除術(D2郭清)を施行した。原発巣の病理診断は高分化型管状腺癌であった。術後、mFOLFOX6を4クール施行してから肝右葉切除術を行い、さらに補助療法としてmFOLFOX6を6クール施行した。初回手術から9ヵ月目に左結腸動脈分岐部近傍の結腸間膜に径8mmに腫大したリンパ節を認め、リンパ節は半年間に18mmまで増大し、PETでも高集積(SUV値4.28)であったため、リンパ節再発と診断した。再手術に先立って計1mlのIGCを経肛門的に直腸粘膜下に注入した。しかし、PDEによる腸間膜観察でリンパ節の同定はできず、再度ICGをS状結腸壁近傍の結腸間膜に0.1ml局所注入し観察すると、蛍光を発するリンパ節とそれに流入するリンパ流を確認した。これをガイドにリンパ節を切除し、病理学的にリンパ節転移と診断した。経過良好で術後7日目に退院し、術後4ヵ月のCTでリンパ節は消失していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012