発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008300521
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79歳男。下腹部痛と頻尿が出現した。腹部CTを施行され骨盤内腫瘤を指摘され、入院となった。腹部CT所見では、膀胱の左後上部に膀胱を圧排する大きさ5×6cmの球形のhigh densityを示す腫瘤を認めた。腹部MRI所見では、腫瘤はT1強調画像で低信号域、T2強調画像では低信号域を呈した。石灰化を伴った異物あるいは後膀胱腫瘍を疑い、手術を施行した。病理組織所見では、細胞成分は認めず、エオジン好性の硝子様変性を示す層状の線維組織からなり、中心部も同様の構造を示した。成分分析所見では、蛋白質84%、リン酸カルシウム8%、炭酸カルシウム8%、細胞成分がなく成分分析からは結石様であることから腹腔内遊離体と診断した。術後経過は良好で術後8日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008