発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008300522
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62歳男。脳梗塞後遺症のリハビリ中、貧血を指摘された。直腸診にて黒色便の付着および血液検査にて高度貧血を認め、精査加療目的で入院した。上部消化管内視鏡検査所見では、十二指腸球部前後壁に活動期潰瘍を認めた。プロトンポンプ阻害薬を使用し2週間後に再検したところ、瘢痕期まで改善した。画像所見では、黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)も否定しえなかったが、十二指腸および横行結腸に浸潤した進行胆嚢癌と診断し、肝床部合併胆嚢摘出術、幽門側胃切除術、横行結腸部分切除術を施行した。一塊となった切除標本の術中迅速病理診断で悪性像は認めず、XGCと診断した。病理組織所見では、悪性像は認めず、XGCと診断した。経過は良好で術後第5病日より飲水開始し、第7病日より食事を開始した。全身状態良好にて術後第16病日に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008