発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009067958
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CA19-9産生胃癌における臨床病理学的検討を行った。対象は1999年1月~2005年4月までに切除したCA19-9産生胃癌16例(男性12例、女性4例、平均年齢69.5歳)であった。進行度は早期癌1例、進行癌15例で、深達度はSM:1例、MP:3例、SS:4例、SE:7例、SI:1例、組織型は分化型10例、未分化型6例であった。1)術後1ヵ月目の血清CA19-9は術前値に比べ30.1~99.0%低下したが、低下率は予後や再発に影響しなかった。2)再発は11例(68.8%、リンパ節再発4例:36.4%、肝転移4例:36.4%、癌性腹膜炎3例:27.2%)に認められ、うち10例(90.9%)では画像での再発発見以前から血清CA19-9の再上昇を認めた。3)再発11例の転帰は9例が癌死であり、全16例の生存期間中央値は27.5ヵ月であった。4)腫瘍の局在部位や大きさに有意な所見はなかった。5)HE染色では脈管侵襲はリンパ管侵襲が静脈侵襲に比べ有意に多く、胃型腺癌が12例(75.0%)であった。MUC1染色では陽性14例(87.5%)、疑陽性、陰性各1例であった。
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