発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008196514
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
50歳女。主訴は右下腹部痛であった。McBurney、Blumbergともに陽性で筋性防御を認め、血液検査では炎症反応が軽度上昇していた。腹部超音波所見で腫大した虫垂の内部にhigh echoicな1cm大の線状影を認め、急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。虫垂に大網と腹壁が癒着していたが容易に剥離できる程度であり、術後経過は良好で第9病日に退院した。摘出した虫垂を切開したところ、肥厚した虫垂粘膜に楔形魚骨が刺入し、病理組織像では魚骨刺入部にもっとも強い急性炎症細胞浸潤を認め、筋層の断裂と漿膜までおよぶ好中球浸潤および出血を認めた。その後の問診で腹痛発症数日前に魚骨を誤嚥していたことが判明した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008