発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040607
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1992年から15年間に早期胃癌切除を行った262例を対象に、その予後因子を解析した。5年生存率(overall survival/disease specific survival)は85.9%/97.5%で、単変量解析では深達度sm2、リンパ管侵襲陽性、静脈侵襲陽性、リンパ節転移陽性、リンパ節転移個数3個以上、根治度B、術後化学療法が有意な予後不良因子であり、多変量解析ではリンパ管侵襲とリンパ節転移個数が独立した予後因子であった。再発例は6例で、残胃再発3例はいずれも切除後の病理組織検査で断端陰性、根治度Aであり、胃切除後は年1回以上の内視鏡検査が推奨される。一方、遠隔再発3例(血行性再発2例、腹膜再発1例)は全例深達度sm2、リンパ管侵襲陽性、リンパ節転移陽性例であり、リンパ節転移個数3個以上の早期胃癌症例では進行癌に準じた術後化学療法を考慮すべきと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011