発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008167413
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α-fetoprotein(AFP)産生胃癌6例と、胃癌切除症例50例のうち免疫組織化学的にcarbohydrate antigen 19-9(CA19-9)を腫瘍細胞に認めた33例の腫瘍増殖能について検討した。その結果、AFP産生胃癌は早期に肝転移をきたし易く、非常に予後不良であった。CA19-9は胃癌組織中に高頻度に認めCA19-9が陽性の33例中高値を示した症例は4例であり、癌組織内発現形成と血中CA19-9値の相関は認めなかった。高値の4例中で長期生存した症例の染色形式は全てapical typeであり、強染色性の生存率はapical typeに比べて有意差はないが予後不良で、染色強度が予後規定因子であると判明した。また、細胞増殖能判定法である腫瘍細胞核内argyrophilic nucleolar organizer regions(Ag-NORs)数、Ag-NORs面積でAFP産生胃癌、CA19-9産生胃癌の腫瘍増殖能を検討した結果、CA19-9産生胃癌に比べAFP産生胃癌はAg-NORs数およびAg-NORs面積が有意に高値を示し、生物学的悪性度の高さが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008