発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008167415
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15歳男。1歳時に腸重積の診断で浣腸整復された既往があった。突然の腹痛が出現し、発症1時間半後の検査では異常は認めず、腹部CTにて急性胃腸炎を疑ったが、発症31時間後に腹痛の増強と下血が出現した。採血にて炎症反応の増悪およびX線像で小腸ガスを認めたため、絞扼性イレウスを疑い緊急手術を行った。小腸の重積を認め、Hutchinson手技で小腸を整復、整復後の所見はTreitz靱帯より肛門側105cm、Bauhin弁より口側125cmの部位に長さ9.3cm・径1cmの棍棒状の隆起性病変と漿膜の引きつれを認めた。重積腸管は虚血性壊死状態と判断し、小腸を部分切除(長さ60cm)した。病理所見にて棍棒状隆起は憩室病変と診断した。絞扼された小腸は出血性壊死と融解傾向を認め、部分的に固有筋層の変性・浮腫および漿膜の線維性炎症を認めた。慢性的な炎症所見は認めず急性腹膜炎状態であったと判断した。術後経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008