発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008117114
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症例は8歳10ヵ月女児で、便秘、腹痛、嘔吐を主訴とした。病歴聴取の際、1年ほど前まで毛髪を食する習慣があったことが明らかになった。腹部単純X線像で上腹部に腫瘤陰影がみられた。CT、胃内視鏡で毛髪胃石と診断した。腫瘤は全体が硬く、胃内に充満し、十二指腸内にも連続して存在していた。臍ヘルニア手術で施行される臍部の切開を行い、ここに胃壁を縫いつけ、胃石を細かく分けながら除去した。胃内腔は、毛髪の胃石で殆ど埋められており、胃石は幽門から十二指腸にも入り込んでいた。術後、創は臍輪と一体化した。この方法は術後創痕が目立たず、腹腔鏡手術に匹敵するものと思われ、切開に際して試みてよい方法と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007