発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001177594
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26歳男.スキー滑走中に転倒しストックで腹部を強打し,上腹部の激痛を主訴とした.腹部単純X線およびCT検査で十二指腸穿孔による汎発生腹膜炎および膵損傷を疑い,受傷から約6時間30分後に手術となった.穿孔の一つが十二指腸球部の腹腔内への破裂であったため,腹部単純X線上の遊離ガス像が認められ,腸管破裂の診断が比較的容易であった.手術の肉眼所見では明らかな膵損傷は見られなかったが,術後の高アミラーゼ血症に対し蛋白融解酵素阻害剤を持続静注投与し,重篤な合併症防止に有効であった.高カロリー輸液下で2週間以上の絶食期間を設け,経鼻的胃管による胃内の減圧を行い,結果的には閉鎖部の縫合不全もなく順調に軽快した
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