発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016152976
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51歳女。上腹部痛、嘔気・嘔吐を主訴にかかりつけ医を受診し、腹部CTにて十二指腸腫瘍と膵頭部への腫瘍浸潤を疑われ、精査加療目的に当院紹介入院となった。入院時血液検査では中等度の炎症反応、軽度の黄疸と肝機能障害を認めたが、各種腫瘍マーカーに異常はなかった。腹部単純X線およびCT所見より、病変部は腫瘍性変化ではなく、外傷性の十二指腸壁内血腫であると考えられたため、経鼻胃管による減圧を行いながらの保存的治療を選択した。その後の問診から、補正下着の強い締めつけにより発症した外傷性十二指腸壁内血腫と診断された。保存的治療により血腫は徐々に改善し、入院35日目に軽快退院となり、退院1ヵ月後の腹部CTで血腫の消失が確認された。
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