発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010028530
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63歳男性。患者は高所より転落受傷後に右季肋部痛を自覚するも放置し、約1ヵ月後に右季肋部痛が増強、路上で倒れているところを通行人に発見され、著者らの施設へ救急搬送となった。入院時、右側腹部に広範な皮下出血斑が認められ、右季肋部から右下腹部にかけては膨隆がみられた。血液検査では貧血、炎症反応の亢進が認められ、HCV抗体陽性であった。腹部CTにて外傷による腹腔内血腫や消化管穿孔による腹腔内膿瘍が疑われ、入院9日目に開腹手術が行なわれた。手術所見では上行結腸間膜に巨大な血腫が確認され、約500gの血腫を可及的に除去した。その結果、手術から8日目に麻痺性イレウスが認められたたものの、イレウス管留置にてイレウス症状は改善し、術後12日にイレウス管を抜去した。以後、手術から36日目に血腫はほぼ消失し、術後46日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009