発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199704
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1(39歳女).器質化肺炎として経過観察されていたが,胸部X線にて左肺門やや外側に結節影が描出され,胸部CTにて陰影の増大と牽引性気管支拡張を認めた.診断目的で胸腔鏡下左S3部分切除術を施行,mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)lymphomaと診断され,術後は無治療で経過観察された.症例2(70歳男).胸部X線,CTにて右下肺野にair bronchogramを伴うconsolodationとその内部にCT angiogram signを認め,Gaシンチグラムにて病変部への集積を認めた.診断目的で右中葉切除術を施行し,肺MALT lymphomaの診断にて残存肺病変に放射線治療を行い,病変は有意に縮小した.2例は共に胸部異常陰影を主訴とし,術後は再発進行の徴候を認めていない.いずれも病理組織学的に小リンパ球よりやや大型のリンパ球様腫瘍細胞がび漫性に増殖しており,免疫組織学的に腫瘍細胞はLCA,L26に陽性,UCHL-1陰性でB細胞性であることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2004