肝細胞癌切除後の長期成績向上を目指して
術前治療 術前肝動脈塞栓術(TAE)+門脈塞栓術(PVE)
青木 琢
1
,
脊山 泰治
,
今村 宏
,
幕内 雅敏
1東京大学 肝胆膵・人工臓器移植外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
生存率
,
アルゴリズム
,
治療成績
,
肝動脈塞栓術
Keyword:
Algorithms
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
pp.504-510
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007209489
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大型肝細胞癌(HCC)に対する切除適応拡大こため、肝切除に先行し肝動脈化学塞栓術(TACE)と門脈塞栓術(PVE)をsequentialに行った。PVEは、(1)残存予定肝の肥大、(2)門脈圧上昇に対するtoleranceの獲得を目的とするが、TACEの付加により、(3)待機期間中の腫瘍進展の抑制、(4)PVEの効率化が期待できる。これまで40例のHCC症例にTACE+PVEの術前治療を行った結果、39例で肝切除が可能となり、術前治療を要さなかった症例と同等の予後成績が得られた。Sequential TACE and PVEは肝切除適応拡大、ひいては患者の予後の改善のため有用な前治療であり、大いに活用すべきものであると考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2007