発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007069247
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55歳男。腹部膨満、左下腿のしびれ、疼痛を認め、腹部CTで後腹膜腫瘍を認め入院した。左側腹部に小児頭大で可動性、弾性硬、辺縁整の腫瘤を触知した。跛行もみられ腫瘤は増悪傾向であった。腹部CTで内部に一部低密度を有する巨大腫瘤を認め、腹部MRIでは腫瘍と左腸腰筋の境界は不明であった。多彩な所見で腫瘍組織像も多彩な可能性が示唆された。注腸造影では左側結腸は右方に大きく弧状に圧排偏移されたが粘膜面に異常所見はなかった。血管造影では強い圧排像と側副血行路の著明な発達を認めた。PET所見は腫瘤に一致した集積を認め悪性腫瘍に典型的であった。腹部正中切開で腹部横切開を加え開腹した。切除標本より後腹膜原発悪性線維性組織球腫と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006