発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014122287
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70歳男。下痢と嘔吐で急性胃腸炎を疑われ入院、第2病日目より腎不全の進行、筋逸脱酵素の更なる上昇ほか、意識レベルの低下で人工呼吸器管理となった。腹部造影CTでは上腸間膜動脈に狭窄や途絶は認められなかったが、骨盤腔内の小腸壁の造影は不良であった。そこで、上腸間膜動脈造影を行なったところ、第2~3分枝の不整狭小化が確認され、本症例は非閉塞性腸間膜梗塞症(NOMI)と診断された。以後、papaverine hydrochlorideの動注で狭窄は消失したものの、筋逸脱酵素は上昇し、腸管壊死の進行と判断された。また、DICの併発で全身状態はますます悪化して、患者は最終的に第20病日目に死亡となった。尚、病理解剖では肉眼所見で小腸に連続性壊死がみられた一方、組織所見では胃・小腸・大腸など小動脈壁にアミロイドの沈着が認められ、全身性アミロイドーシスと診断されが、病型は特定できなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014