発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005007511
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57歳女.腹痛を主訴とした.腹部超音波で長径5.5cm大の低エコーの腫瘤を認め,CTで右腎の左前方に長径6cm大の腫瘤を認めた.また,下大静脈造影で腫瘤の部位に一致して下大静脈の圧排像を認め,右第2腰動脈造影では明らかな腫瘤血管を認めなかった.MRIで腫瘤はT1強調像で低信号,T2強調像で高信号を呈し,ガドリニウム造影T1強調像では不均一に濃染された.後腹膜腫瘤と診断し,腫瘤摘出術を施行した.病理組織学的所見で大小種々の大きさの紡錘形細胞が密に錯綜しながら増生し,棍棒状または楕円形の核を有し,異常分裂も認めた.免疫染色ではアクチン,デスミンが陽性で,S-100,NSEは陰性であり,平滑筋肉腫と診断した.術後は順調に経過し,術後3年の現在再発を認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004