発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006286935
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虫垂炎の重症度に重点を置き,腹腔鏡下虫垂切除術(LA)と開腹下虫垂切除術(OA)との手術成績を比較した.1996年5月~2003年7月の,手術を行った急性虫垂炎を対象とした.LA群は100例で,軽症22例,中等症47例,重症12例,他疾患19例であった.OA群は127例で,軽症14例,中等症58例,重症34例,他疾患21例であった.平均手術時間はLA群(80分)は,OA群(72分)に比べ,長く,術後鎮痛回数,合併症発生率,術後在院期間は低値であった.術後の鎮痛処置症例数,合併症発生率,在院日数は虫垂炎が重症化するほど増加し,重症度別には,軽~中等症の虫垂炎では,OA群に比べてLA群は低値であったが,重症群ではLA群よりもOA群の方が低値であった.軽~中等症の虫垂炎症例に対しては,LAは術後回復の上でOAに勝るメリットがあるが,重症例へのLAの適応は慎重に行うべきであると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006