発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003055007
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35歳女(未婚).右乳房に疼痛を訴えて受診し,左乳房に巨大な腫瘤を認めた.超音波造影,CT,MRI検査の所見では葉状腫瘍が疑われた.穿刺吸引細胞診では細胞成分が少なく判定不能であった.葉状腫瘍を強く疑ったが確定診断を得られないまま手術を行い,腫瘍を含めて広範囲切除後,広背筋弁にて乳房形成術を施行した.切除した腫瘍の病理組織所見の結果,巨大線維腺腫と判明した.今回のように線維腺腫と葉状腫瘍は術前,術中の鑑別は難しく,巨大線維腺腫でも葉状腫瘍が疑われる場合は腫瘤から2cm離し,生じた欠損部が小さければ周囲乳腺組織を回転させて乳房形成を行い,大きければ広背筋弁を用いて乳房形成を行っていた
©Nankodo Co., Ltd., 2002