臨床経験
初回手術後16年目に肺転移を認めた乳腺葉状腫瘍
張 性洙
1
,
中野 貴之
,
岡本 卓
,
高畠 大典
1高知医療センター
キーワード:
胸腔鏡法
,
乳房腫瘍
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
葉状腫瘍
,
胸部CT
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Phyllodes Tumor
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Thoracoscopy
pp.1000-1003
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009594
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56歳女。16年前に左乳腺腫瘍(15.5cm大)に対して乳腺切除術を施行され、乳腺葉状腫瘍(境界悪性腫瘍)と診断された。今回、検診で胸部異常影を指摘され、当院に紹介された。胸部X線で左中肺野に長径1.5cmの境界明瞭な結節影を認めた。胸部CTで左肺上葉S3に1.6×1.3cmの境界明瞭かつ内部構造均一な結節影を認めた。臨床経過と画像所見から原発性肺癌を疑って手術を行い、切除標本の病理組織所見と、16年前に切除された腫瘍の病理組織所見から乳腺葉状腫瘍の肺転移と診断した。肺病変の組織像は中心部に硝子線維化が存在していることから、非常に緩徐に増大していたことが示唆された。
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