発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017233261
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82歳男性。食欲不振、心窩部不快感を主訴に受診となった。上部消化管内視鏡にて胃角対側大彎に発赤とfold集中を伴う潰瘍病変を認めた。胸部CTでは両側肺辺縁に胸膜癒着を伴う索状影と両側の胸水貯留を認め、腹部CTでは大網および腸間膜の脂肪織内に多数の小粒状影と中等度の腹水を認めた。腹腔鏡下生検を行い、病理組織学的所見より結核性腹膜炎を合併した早期胃癌と診断した。生検後はRFP、INH、EBの3剤併用療法を開始したところ、腹水や胃壁の肥厚、大網および腸間膜脂肪織内の小粒状影は消失し、治療開始3ヵ月後に早期胃癌に対し幽門側胃切除(D1+郭清)を施行した。術後約1年経過現在、結核の再燃、癌の再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017