発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006034897
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大腸癌手術症例における閉鎖式持続吸引ドレーンの有用性を検討した.対象は,初回手術後に閉鎖式持続吸引ドレーンを挿入した結腸癌62例(男女比1:1,平均年齢65.1歳)と直腸癌25例(男女比2:1,平均年齢62.8歳)で,術後レザーバー内排液とドレーン先端を培養に提出し,第8病日ドレーン抜去とした.手術部位感染(SSI)は結腸癌11例(17.8%),直腸癌8例(32%),縫合不全は各々3例(4.8%),1例(4%)に認めた.第5病日までのレザーバー内排液の培養陽性は結腸癌14例(22.6%),直腸癌8例(32%)で,うちSSIや縫合不全は各々8例(57.1%),5例(62.5%)であり,ドレーン先端では結腸癌6例(9.7%:SSI 2例,縫合不全3例),直腸癌1例(4%:縫合不全)が陽性であった.術後の閉鎖式非吸引ドレーンと閉鎖式持続吸引ドレーンのドレッシング回数は,前者が平均15回,後者が平均3回と有意に少なく,閉鎖式持続吸引ドレーンは医療マネジメントの面からも有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005