消化器手術における抗菌薬の適正使用
周術期における抗菌薬の適正使用 結腸癌、直腸癌
長谷 和生
1
,
辻本 広紀
,
小野 聡
1防衛医科大学校 外科
キーワード:
結腸腫瘍
,
抗細菌剤
,
手術創感染
,
直腸腫瘍
,
経口投与
,
腹部膿瘍
,
予防的抗菌剤投与
,
医薬品適正使用
,
静脈内投与
,
大腸切除
Keyword:
Administration, Oral
,
Anti-Bacterial Agents
,
Colonic Neoplasms
,
Surgical Wound Infection
,
Rectal Neoplasms
,
Abdominal Abscess
,
Antibiotic Prophylaxis
,
Administration, Intravenous
pp.584-587
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011218997
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大腸癌術後感染予防抗菌薬療法は、最近では経口抗菌薬を術前1日投与し、第2世代セファマイシン系薬を皮膚切開直前30分以内と、術後は手術日も含めて1~3日間経静脈的に投与することがすすめられている。一方、術後感染発症時の起因菌の70%は予防抗菌薬に耐性菌である。腹腔内膿瘍ではドレーン排液のGram染色により抗メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬、第3、4世代セフェム系薬、注射用ニューキノロン系薬などを使い分け、起因菌同定後はすみやかに最適な抗菌薬に変更する。閉鎖腔の重症感染ではカルバペネム系薬の投与を行う。
©Nankodo Co., Ltd., 2011