発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211679
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胃癌手術症例に対して閉鎖式持続吸引ドレーンを採用し,その有用性と管理法を検討した.2002年7月から2003年2月までに胃癌手術を受け閉鎖式持続吸引ドレーンを挿入した17例を対象とし,術後にJ-VAC・サクションレザーバー(レザーバー)内の排液とドレーン先端を培養に提出して細菌検索を行った.なお,抗菌薬投与は術中から最長術後3日まで行われた.レザーバー内排液の培養結果では第3病日までは陽性例はなかったが第5病日まででは2例,第7病日まででは3例が陽性であった.ドレーン先端の培養結果は2例が陽性であり,第10病日にE.Coliによるspace/organ手術部位感染(SSI)1例を認めたが,レザーバーとドレーン先端の汚染がない症例であった.その他の症例に問題はなく,17例全てが全身状態良好で経過し,術後のドレッシング回数は閉鎖式非吸引ドレーンと比較して有意に少なかった.閉鎖式持続吸引ドレーンはクリニカルパスの展開やリスクマネージメントの面からも有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004