発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194108
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74歳男性.患者は腹痛,下痢で全身状態が悪化し,近医の胃透視,CTにて壁外発育型の胃平滑筋肉腫を疑われ紹介入院となった.上部消化管造影では胃体上部小彎から壁外に突出する造影剤の貯留を認め,CTでは胃内腔と連続する空洞を伴う径約9cmの腫瘤と,その腫瘤内に限局性の仮性動脈瘤が認められた.さらに内視鏡では胃体上部小彎に壁外からの巨大な圧排所見で,同部位に開口部を認め,内腔に易出血性の壊死組織を認めた.その後,吐血の持続で血圧低下を来しため緊急手術を施行したが,胃体上部には壁外に突出する径10cm大の腫瘍がみられ胃全摘術を行った.切徐標本は腫瘍内部と交通する径1.5cmの開口部を認め,腫瘍内腔は壊死に陥っていた.病理所見にてgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断され,術後1年11ヵ月経過の現在,再発の兆候は認められない
©Nankodo Co., Ltd., 2004