発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005187616
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肝門部胆管癌の術前処置として,門脈塞栓術(PVE)は1982年に幕内らによって始められた.門脈塞栓後約2週間で,塞栓肝の萎縮と非塞栓肝の機能的・形態的再生が促される.PVEを併用した拡大肝葉切除の導入によって,肝門部胆管癌の短期および長期予後が飛躍的に向上した.1998~2004年に切除を行った肝門部胆管癌76例中,術前にPVEを併用したのは48例であった.これにより,温存肝容積は中央値で全肝の36%から47%に増大した.拡大肝葉切除を74例に施行したが,在院死を認めなかった.減黄を要する肝門部胆管癌症例は多少とも胆汁うっ滞性肝障害を伴っており,広範な肝切除を行う場合には安全性を向上させるためにPVEを併用するべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2005