発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005156413
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48歳男性.患者は食後の心窩部痛で内科を受診し,巨大肝嚢胞による閉塞性黄疸と診断され外科転科となった.CTで肝S8~S4から肝門部にかけて14×11cm大の境界明瞭で内部均一なlow density massを認め,嚢胞による圧排で両側の肝内胆管拡張を認めた.血管造影では動脈相で固有肝動脈,左肝動脈の圧排を,門脈相で1次分枝の狭小化を認めた.ERCPで左肝管より造影剤の漏出を認め,経皮経肝胆道鏡では嚢胞内腔は線維性被覆に覆われ,隔壁構造や乳頭腫瘍は認めなかった.胆管と交通を有する巨大肝嚢胞と診断し,肝嚢胞開窓術+交通枝結紮術を施行したが,交通枝の確認ができず,開腹下にargon beam coagulatorで内腔面を焼灼し,ドレーン留置で終了とした.術後胆管との交通は認めたが,廃液は減少しドレーンを抜去した.術後6ヵ月経過で再貯留は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005