発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005034230
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74歳男.右下腹部痛を主訴とした.腹部CT,超音波検査により大腸憩室炎の診断で保存的治療を行っていたが,症状は軽快せず,急性虫垂炎による膿瘍形成の疑いで手術を行った.開腹したところ,盲腸壁に6.5cm長の爪楊枝が盲腸壁の内前壁および外後壁を穿孔しており,爪楊枝を盲腸壁から抜去し,穿孔部を含む盲腸壁を部分切除した.術後は良好に経過し,術後12日目に軽快退院した.術後,再度問診したところ,爪楊枝を誤飲した記憶はないものの,串で揚げた食物を好んで食べる習慣があるとのことであった.また,術後改めて術前腹部CTを見直してみると,盲腸内にうっすらと針状陰影を認めた.急性腹症において確定診断がつかない場合は,異物誤飲の可能性を考慮してCT検査や超音波検査を行うことが重要であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004