発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010313474
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魚骨による消化管穿孔・穿通の5例について検討した。対象は魚骨による消化管穿孔・穿通患者5例(男性4例、女性1例、平均年齢61.2歳)で、主訴は右下腹部痛3例、左側腹部痛2例であった。1)4例でWBCおよびCRP上昇がみられ、術前のCTでは2例に点・線状影が描出された。また、超音波では高エコー線状影として2例が描出されたが、魚骨との診断が可能であったのは2例であり、術前診断は腹腔内腫瘍を合併した糞石を伴う虫垂炎・回盲部腫瘍1例、急性虫垂炎、魚骨による腹膜炎各2例であった。2)穿孔・穿通部位は虫垂から回腸への魚骨穿通、Meckel憩室穿孔各1例、小腸穿孔3例で、術式は回盲部切除術、Meckel憩室切除術各1例、小腸部分切除術3例であった。3)全例において症状出現前の魚摂取歴があり、魚骨を誤嚥した記憶を有していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010