発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010284103
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18歳男性。患者は精神発達遅滞のため施設へ入所中であった。今回、4日前より持続する下痢、活動性低下が認められ、著者らの施設へ救急外来となった。受診時、腹部膨満が著明であり、腹部CTでは回盲部に砂の異食によると思われる高濃度の粒状影、また腸管内外には棒状の異物がみられた。以上より、本症例は消化管穿孔による汎発性腹膜炎が疑われ、緊急開腹手術が行われた。その結果、手術所見では後腹膜から腹腔内へ突出する長さ18cmのプラスチック棒と膿の貯留が確認された。そこで、この異物の誤飲を摘出するとともに腹腔内を洗浄し、後腹膜穿孔部を縫合後、大網で被覆した。だが、手術から14日目に行われた腹部CTでは腹腔内膿瘍が認められたため、術後17日目に再開腹し、洗浄ドレナージ術が行われた。以後、経過は良好で、患者は術後40日目に軽快退院となった。
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