発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005034227
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56歳女.貧血を主訴とした.腹腔内に多数のリンパ節および十二指腸の肥厚を認めた.癌胎児性抗原(CEA)は120.0ng/mlであった.腹部造影CTでは,胃幽門部から十二指腸にかけて壁肥厚がみられたが,主体は十二指腸球部から下行部と診断された.また,膵後部リンパ節の腫大がみられた.開腹すると,迅速細胞診陰性の腹水を認めたが,肝転移,腹膜転移はなかった.しかし,リンパ節には広範な転移がみられ,膵頭十二指腸切除術,D2郭清を行った.肉眼的に癌遺残はなく,摘出した腫瘍は最大径9.5×8.5cmの潰瘍浸潤型(3型)であった.術後,化学療法を行い,6ヵ月現在,無再発生存中である.CEAは術後1ヵ月で30.1ng/ml,6ヵ月で14.0ng/mlと推移しており,今後のフォローアップの指標となると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004