発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207579
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
57歳男性.上腹部痛・下血を主訴に,上部消化管造影で十二指腸球部の変形・狭窄を認め入院となった.入院時の所見は,腫瘍マーカーCA19-9の軽度上昇が認められ,組織生検にて十二指腸癌と診断した.膵頭十二指腸切除術を施行し,病理組織学的には中分化管状腺癌で深達度ss,INFβ,ly2,v1,リンパ節転移陽性であった.術後経過良好であったが,外来通院中の腹部CT検査で肝S5,S7,S8に腫瘍影を認め,精査にて肝内転移に伴う肝細胞癌と診断し肝S5部分切除術,肝S7・S8腫瘍マイクロ波凝固療法を施行した.病理組織学的に中分化肝細胞癌で,尿管癌,直腸癌,十二指腸癌,肝細胞癌の組織を対比し,それぞれが原発病巣であり,異時性四重複癌と診断した.肝細胞癌術後24ヵ月の現在,再発徴候なく健存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2003