LECS(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery)の新たな展開
十二指腸局所切除の概念・分類・適応疾患
阿部 展次
1
,
小島 洋平
,
橋本 佳和
,
竹内 弘久
,
長尾 玄
,
鈴木 裕
,
正木 忠彦
,
森 俊幸
,
杉山 政則
1杏林大学 医学部外科
キーワード:
十二指腸腫瘍
,
術中期
,
リンパ行性転移
,
生検
,
腺癌
,
腸粘膜
,
胃腸内視鏡法
,
腹腔鏡法
,
神経内分泌腫瘍
,
小腸切除
,
アブレーション技術
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Biopsy
,
Duodenal Neoplasms
,
Intestinal Mucosa
,
Intraoperative Period
,
Lymphatic Metastasis
,
Laparoscopy
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Neuroendocrine Tumors
,
Ablation Techniques
pp.1489-1495
発行日 2015年10月20日
Published Date 2015/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016039874
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
十二指腸の代表的な局所切除術には経十二指腸的切除術や全層部分切除術がある.腹腔鏡・内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery;LECS)やそれに類似する手術は後者の一亜型であり,最近では内視鏡的切除+漿膜筋層補強縫合という広義のLECSと位置づけられる術式も開発されている.LECSを含む局所切除術の基本的な適応は,リンパ節転移のない腫瘍(腺腫や粘膜内癌など)であるが,どの局所切除術を選択するかは,腫瘍の種類(粘膜露出病変か粘膜下腫瘍か,など)や大きさ,部位,周在,乳頭との位置関係,技術的事項などの複数因子を十分に考慮したうえで決定される.LECSの最大の利点は,必要最小限の全層部分切除を可能とすることであり,内腔の狭い十二指腸でこそ,その真価を発揮できる可能性がある.その一方で,新しい術式であるがゆえ,適応や技術的問題,安全性,長期成績など,今後検討すべき事項が多いことを銘記すべきである.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.